初心者のディベーターを救う団・公式ホームページ

1.2 ディベートの目的

ディベートの本来の目的

競技ディベートの第一の目的は、議論能力を向上させることにあります。物事を分析する能力、状況にあわせて判断する能力、自分の主張を論理的に構成する能力など、議論を行う上で必要となる知的能力や意思決定能力を養うために効率のよいツールとして、ディベートという競技はデザインされています。ディベートというと「相手を論破するための競技」と思われがちですが、ディベートの目的はそのようなつまらないものではなく、より良い結論を求めるための訓練にあるのです(実際の意思決定を行うためのツールではなく、あくまでそのための能力養成であることに注意)。
後で述べるように、ディベートは非常に楽しい競技です。しかし、単に楽しみのためだけに議論を行うというのは、生産的ではありませんし、それだけでは実際のところディベートの本当の楽しさを知ることもできないのです。これは最初にここを読んだときには理解できないかもしれませんが、ここでは「ディベートは議論教育のためのゲームである」ということを押さえておけば大丈夫です。もちろん、教育的だからといってそれでディベートがつまらなくなっているなんてことはありません。ディベートでは、楽しく議論の能力を伸ばすことができるのです。

楽しみとしてのディベート

ディベートは、言葉を使った知的ゲームです。試合に向けた準備は、相手の議論を予想し、自分たちの議論を組み上げていく作業として楽しめますし、試合では頭をフルに使って議論を戦わせる、いわゆる知的ゲームとしての興奮を味わうことができます。ディベートは、それ自体趣味として続けるに足る奥深さを持ったゲームです。そうした楽しみを目当てにディベートを続けていくのも、悪くない選択だと思います。
また、楽しさという面では、ディベートを通じて知的能力を向上させることにより、日常生活がより豊かになるということも挙げられるでしょう。ディベートでは様々な社会問題を扱い、その中で物事を様々な角度から見る習慣が身につきます。そのような視点をもつことで、例えば朝のニュースや新聞を読むとき、これまでとは違った部分が見えてくるはずです。これまで気づかなかった部分が見えてくるということはそれ自体新鮮で楽しいことです。ディベートは、考えることの楽しさを教えてくれるのです。

ディベートで身につくその他の能力

ディベートでは議論能力を向上させることが目的であると書きましたが、そのほかに以下のような能力も身につきます。

* スピーチに慣れ、分かりやすい発表ができるようになる
* たくさんの情報を調べ、処理する能力が身につく
* 論題について調べることを通じて知識が身につく
* 多人数で一緒に議論を準備することで協調性・リーダーシップが身につく

これらの要素はあくまで副次的なものではあり、ディベート以外の方法で訓練する方が効率よく身につく能力であるともいえますが、議論能力だけでなくこのような要素も一緒に訓練したいという場合、競技ディベートは有用なものであるといえます。



以上、ディベートの目的とされていることの説明です。何事も目的を持って取り組むことが上達への近道です。自分なりに目的を意識しながらディベートを続けていけば、上達していることを実感していけるはずです。
次は、ディベートに取り組む上で重要な心構えをまとめてみました。これもディベートの方法論とは離れていますが、筆者がここまでディベートを続けてきた上で自分なりに考えたことをまとめてありますので、できれば飛ばさずに読んでいただけると幸いです。

1.3 ディベートを学ぶ上で重要なこと

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