初心者のディベーターを救う団・公式ホームページ

2.1 どうやったら勝てるのか

いよいよここから、ディベートのルールについて説明していきます。ディベートのルールは特殊なものではなく、一般に相手を説得する上で必要なことや、議論を公平に行うために必要な決まりごとだけで構成されています。それらのルールについて、その意味について納得しながら理解していってください。

試合で勝つ条件

一般的な競技ディベートでは、「○○*1は〜*2すべきである」という形で論題が与えられ、この論題の是非について議論がなされます。対戦するチームは肯定側(論題に賛成する側)と否定側(論題に反対する側)に分かれます。第三者であるジャッジが議論を判断した結果、論題を肯定すべきだと判断された場合は肯定側が勝利し、そうでない場合は否定側が勝利します。
スピーチの分かりやすさといった点は、議論の結果には直接反映されません。ジャッジに伝わった「内容」から、いずれの主張が説得的であったかが問題とされるのです。また、判断の際にジャッジの個人的見解が反映されることもなく、あくまで試合で出された議論の内容で勝敗が決します。

*1何らかの政策主体。日本の競技ディベートにおいてはほとんどが「日本政府」です。
*2何らかの政策。例えば「死刑を廃止すべきである」など。

「論題を肯定する」とは?

上で述べたように、ディベートでは論題の是非についての判断で勝敗が分かれます。では、この「論題の是非」はどうやって判断されるのでしょうか?

これについては、私たちが普段行っている意思決定と同じように判断がなされます。
例えば、身近な論題として「私の家族は今年の夏休みに北海度旅行に行くべきである」というものを考えてみましょう。この論題について考えるとき、私たちは『北海道でおいしいものを食べたいなぁ』とか『でも北海道に行くとお金かかるなぁ』といったことを考えます。北海道に行くべき理由、行くべきでない理由を考え合わせた上で、行くべき理由が行くべきでない理由を上回れば、この家族は北海道旅行に行くことを決めます。このとき、論題は肯定されたことになります。

このような形で論題の是非が争われます。ディベートでは、論題を肯定する理由・否定する理由の説明方法として効率的な方法が経験上確立されており、実際にはそうした形で主張を組み上げていくことになります。それらの方法については後で詳しく説明していきます(第3章)。ここでは、ディベートの試合では、ジャッジを説得して論題の是非について自分たちの立場の主張が勝っていることを示すことが目的であるということを理解しておいてください。

コラム 〜そのほかの投票理由〜
ディベートにおいては、論題の是非に関する議論以外で勝敗が決まる場合もあります。その中の主なものとしては、3.5節で発展編として説明する「論題充当性」という議論が挙げられます。ここでは『そもそも肯定側が論題を肯定していないのではないか』という議論が展開されます。
また、1.3節で述べたようなマナーに著しく反する場合は、反則負けになることもあります(2.5節で説明します)。これに関係して、議論を行うものとして望ましくない内容の主張を行ったチームは教育的に負けとされるべきである、といった議論もあったりします。こうした「例外」については、今後関連する部分があれば、そこで紹介していくことにします。
ただ、基本的には論題の是非を争うのがディベートという競技であるということは変わりません。

2.2 スピーチの順序と時間制限

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