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2.2 スピーチの順序と時間制限

スピーチのきまりごと

ディベートでは、両チームが公平に議論の機会を持つよう、スピーチの順序や時間制限が決められています。スピーチはいくつかの場面に分けられていますが、それぞれの担当者以外発言することはできず、それに対して野次を飛ばしたり、割り込んで反論することは許されません。また、スピーチ中は自分のチームメンバーと打ち合わせを行うこともできません。
この節では、この決まりごとについて説明していきます。

スピーチのフォーマット

スピーチの順序や制限時間の決まりごとのことを「フォーマット」と呼びます。ディベートには様々なフォーマットがありますが、ここではその中から日本語ディベートで代表的なものを紹介しておきます。

ディベート甲子園高校の部フォーマット
<肯定側>

肯定側立論(6分)




準備時間(1分)
肯定側質疑(3分)


準備時間(2分)
肯定側第一反駁(4分)


準備時間(2分)
肯定側第二反駁(4分)

<否定側>


準備時間(1分)
否定側質疑(3分)
準備時間(1分)
否定側立論(6分)


準備時間(1分)
否定側第一反駁(4分)


準備時間(2分)
否定側第二反駁(4分)




JDAフォーマット
<肯定側>

肯定側第一立論(6分)


肯定側質疑(3分)
肯定側第二立論(6分)


肯定側質疑(3分)

肯定側第一反駁(4分)

肯定側第二反駁(4分)

<否定側>


否定側質疑(3分)
否定側第一立論(6分)


否定側質疑(3分)
否定側第二立論(6分)

否定側第一反駁(4分)

否定側第二反駁(4分)

*各チーム準備時間が8分あり、自分のスピーチの前に自由に取れます


このほかにも様々なフォーマットがありますが、とりあえず上に挙げた程度のものを知っておけば足ります。いろいろと初めての単語が出てきましたので、それらの意味について以下で説明します。

各ステージの役割

上で紹介したフォーマットを見れば分かるように、ディベートではスピーチごとに異なる名前がついており、それぞれに異なる役割が与えられています。それぞれ、どのような役割を担うのかを説明していきます。

立論
立論というのは、自分たちの立場や、それを支持する根拠を出す場面です。具体的には、肯定側であれば論題を支持することで起こる利点(メリット)を説明し、否定側であれば論題を支持することで起こる不利益(デメリット)を説明することが中心です。立論の段階で投票理由になるような議論を全て出すというのが、ディベートにおける大切なルールです(これについては2.4節で詳しく説明します)。
立論を担当するディベーターは、後で説明する質疑の場面でも、応答者として質問に答えます。自分たちの立場についてきちんとした理解が必要となるパートです。
なお、立論が2回あるフォーマットの場合、立論の段階で相手の議論に対する反論を行う必要があります。この場合、2回目の立論である第二立論の担当者は、反論に答えることで自分たちの議論を再構成する役割も担うことになります。

質疑
質疑では、相手の立論の内容について質問を行います。質疑のステージは、ディベートの中で唯一、相手のディベーターとやり取りを行う場面です。質疑の役割は、相手の議論で分からなかった部分を確認したり、議論の前提を問いただしたりすることで、今後の反論に役立てることです。相手に対して反論を行うパートではない(質疑でのやりとりは立論の補足であり、その後のスピーチで言及されることで有効に評価される)ので、その点に注意する必要があります。

第一反駁
反駁というのは、相手の議論に反論することです。その中でも第一反駁は、相手の議論に対して攻撃したり、相手の反論に再反論したりと、争点について細かな議論を戦わせることが中心となるステージです。特に肯定側第一反駁は、否定側第一反駁までで攻撃された自分たちの議論を守りながら、否定側立論の内容を攻撃しなければならないため、非常にハードなスピーチを要求されます。

第二反駁
第二反駁では、それまでのスピーチを総括し、自分たちの議論が相手を上回っていることを説明する、まとめのステージです。ここでは、相手の議論に反論することより、どのような議論があったかを振り返り、相手の議論と自分の議論を比べて優れている理由を説明するといったスピーチが中心となります。ディベートにおける試合の準備は、この第二反駁にできるだけ有利な材料を残すことを目的として行われるといってよいでしょう。



ディベートの試合は以上のようなステージから成り立っています。とはいえ、実際にどのような形で議論が行われるのかはなかなか想像がつかないでしょう。というわけで、次の節では実際の試合を少し見てみることにしましょう。

2.3 試合の簡単な流れ

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