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4.2 資料の集め方

まずは資料を集めよう

どのような目的でリサーチをするにせよ、まずは資料を探さなければなりません。多くの資料に当たれば当たるほど、優れた情報を得ることができます。この節では、効率的に資料を集める方法について説明していきます。
その前に、ディベートで参照することができる証拠資料にはどのようなものがあるか、代表的なものについて紹介しておきます。

最も一般的なものは、書籍です。書籍といっても様々なものがありますが、特徴としては、テーマごとに出版されていることが多く、基礎知識がまとまっている資料を見つけやすいということがあります。もちろん、特定の分野を深く掘り下げたものもありますから、書籍にはいろいろとお世話になります。書籍は買うと高いので、そのほとんどは図書館で借りることになるでしょう。

続いてよく使用されるのが、雑誌記事・論文です。論文というと手に入りにくそうなイメージがあるかもしれませんが、専門雑誌などに収録されている記事それぞれが論文だったりします。雑誌にはいろいろあり、いわゆる大衆向け雑誌のようなものから、法律雑誌・医療雑誌・科学雑誌など専門的な雑誌、業界誌などいろいろあります。雑誌記事や論文は特定のテーマについて書かれた専門的なものが多く、重宝します。論文が収録されているような雑誌は一般の書店に置いていなかったりしますし、過去の出版分は図書館に行かないと見ることができないので、専門の検索手段でピックアップした記事をコピーして読むことになります。

最近では、インターネットサイトの情報も増えてきています。政府の白書などもインターネットで公開されており、インターネットだけでもかなりのデータが入手できます。しかし、インターネットだけでは書籍・論文に書かれているだけの情報が手に入りませんし、インターネットサイトの信憑性は公刊された資料に比べて低いということにも注意しなければなりません。
そのほか、官庁・企業のパンフレットなども資料になりうるものですし、各種統計データも重要な資料です。その内容についても、日本語に限らず外国語を翻訳して利用することもできます(論題によっては英語文献のリサーチが必要になることもあります。ただし、翻訳には十分注意する必要があります)。
また、自分でインタビューした内容や、自分で取ったアンケートの結果なども資料として引用することは一応可能です。しかし、このような資料はそれが本当に正しいものかどうかチェックすることが難しいため、一般的には信憑性は著しく低いものと考えられます。

リサーチでは、以上のような資料を集めることになります。以下では、書籍・論文のリサーチ方法を中心に解説していきます。その中でも、図書館を活用したリサーチの方法について説明します。

資料リストを作る

図書館に行って資料を集めるといっても、どんな資料を集めるのかを考えておく必要があります。もちろん、図書館で探すことも可能ですが、図書館にいられる時間は限られています。そこで、必要な資料のリストをつくり、図書館ではそれを「集める」ことだけに集中することが効率的です。ここでは、論題に関係する資料をリストアップし、資料リストを作る方法を説明します。

まずは、書籍をリストアップします。借りに行く図書館のホームページにある検索サービスを利用するのが一般的ですが、日本で公刊された書籍から検索したい場合、以下の検索システムを使用しましょう。
国立国会図書館サイト(一般資料の検索)

検索では、キーワードを入力して本を探します。一般的には、本のタイトルから検索することになりますので、論題に関係しそうなキーワードを入れてみることになります。しかし、論題に入っている文言を入れるだけでは、有用な資料を全て見つけることはできません。論題に関係する内容を自分で想像してどんどん打ち込んでみてください。死刑廃止論題であれば、「犯罪」「犯罪者の人権」「刑罰」「裁判」「冤罪」「終身刑」「刑務所」「死刑囚」などのキーワードが思いつくでしょう。連想ゲームの要領で考えてみましょう。また、連想検索というサービスもあります。
Webcat Plus(連想検索)

雑誌記事(論文)については、記事・論文のタイトルごとに検索が可能です。自宅で使用可能な論文検索システムとしては、以下のようなものがあります。
国立国会図書館サイト(雑誌記事索引の検索)
国立情報学研究所論文情報ナビゲータ

雑誌の場合は、行く予定の図書館にその雑誌があるかどうかを調べる必要があります。これについては、図書館のサイトにある収録雑誌目録や検索システムを使って調べてください。
近くの図書館にない論文がある場合は、国立国会図書館の会員になると、雑誌をコピーして送ってもらうことができます。普通のコピーよりお金はかかりますが、全国どこでも雑誌論文を手に入れることができるため、地方のディベーターは活用されるとよいでしょう。

以上の作業で使えそうな資料のタイトルが見つかった場合は、それをリストに拾い上げます。リストはパソコンのメモ帳機能などで作成すると、サイトからそのままコピペしてフォントが統一されるので便利です。
リストに必要なのは、書籍の場合はタイトル・著者名・請求記号(図書館で必要とされている場合)の3つで、雑誌記事(論文)の場合は記事タイトル・記事著者・収録雑誌名とその巻号・収録頁の4つです。引用時の出典としてはもっといろいろ記録する必要があるのですが、資料を集める段階では、図書館で必要とされる情報を拾っておけば大丈夫です。

このようにして作成したリストを印刷して図書館に持っていけば、効率よく作業ができます。

図書館での作業

図書館には、開架部分(普通に見ることのできる本棚)と閉架部分(立ち入りできない本棚)があります。そこで、図書館で資料を探す作業は、開架部分から本を探す作業と、閉架部分の本や雑誌を持ってきてもらう作業に分かれます。

開架部分を見る場合には、記録したリストを参考に、本棚からその本を探すことになります。しかし、ただリストの本を探すだけではなく、自分で本棚を見て本を探すことが大切です。図書館の本棚は、関連する本をまとめて近いところに置いています。ですから、探したい資料の近くには、それと良く似たテーマを扱った資料があるのです。というわけで、リストに載っていない場合も、これはと思った本については目次をチェックし、内容を探しましょう。
ここで注意すべきことは、「図書館では本は読まない」ということです。図書館にいられる時間は限られているのですから、ここでは使えそうな本を探すことに集中し、内容を読むのは帰ってからと割り切ってください。ですから、本のチェックは目次を中心にして、本文を読む場合も流し読みで内容を確認する程度にしておきましょう。必要な本は借り入れ、冊数制限で借りられない本については、必要に応じて使えそうな部分をコピーします。なお、本をコピーする場合には本の奥付(本の最後にある、著者や発行年などの書誌情報が書いてあるところ)もコピーしておきましょう。

閉架部分の資料については、カウンターでお願いして持ってきてもらうことになります。雑誌はほとんどが閉架部分に製本された形で入っているため、カウンターへの請求が必要です。一人で一度に請求できる量には限度があるため、たくさん人を連れてきて、手分けして請求することが望ましいです。
雑誌を持ってきてもらった場合、雑誌はほとんどの場合持ち出し不可ですから、必要な記事をコピーする必要があります。この場合、雑誌はテーマごとに特集を組んでいることが多いので、リストアップした記事の収録されている巻号には、同じテーマの記事が入っている可能性があります。というわけで、リストに載っている雑誌の目次を見て、リストに入っていないけど使えそうな記事を探してついでにコピーするようにしましょう。記事だけでは巻号が分からない場合、自分で記録しておくか、その雑誌の表紙をコピーしておきましょう。
なお、雑誌の場合も「図書館では読まない」ことは同様で、内容を気にせずどんどんコピーして後で読むのが基本です。本気でリサーチするとコピー代が結構かかるので注意しましょう。

インターネットで資料を集める

手軽なリサーチ方法としては、インターネットを使用したものがあります。最近ではかなりの情報がウェブ上に存在し、公的機関のデータも公開されてきています。このようなデータを活用することで、効率的にリサーチを進めることができます。

インターネットで手に入る情報の中で最も信憑性が高いのが、官公庁のデータです。例えば、各省庁が発行している白書も、それぞれの省庁のサイトにアップされていて、読むことが可能です。官公庁のサイトは、以下のリンクを参考にしてください。
首相官邸の官公庁リンク集

その他にインターネットで手に入る有用な情報としては、国会の会議録があります。衆議院・参議院・各委員会の会議録を参照できるため、国会で問題となっているテーマについてどのような議論が行われているかを知ることができます。もちろん、政治家の意見として試合で用いることも可能です。
国会会議録検索システム

そのほか、googleやyahooなどの検索システムで、ウェブ全体からの検索をかけることができます。論題に関係するさまざまなキーワードを打ち込むことで、大量の情報を集めることができるでしょう。ただし、世の中には様々なサイトが存在し、その中の多くは信憑性・権威性の点で問題があります(例えばこのサイトのように…)。個人のブログ記事などは、資料としての価値はゼロに近いと考えてください。
官公庁やそれに準ずる団体、大学教授などの専門家が運営するサイトであれば、それなりに信用することができると考えられますが、ウェブ上のデータはいつなくなってしまうか分からないため、重要なデータについてはプリントアウトするなどして保存しておきましょう。

さらに資料を集める

資料集めは一度だけでなく、何度も繰り返し行うことが有効です。論題について理解が深まり、実際に議論を考えてみた段階ではじめて必要となる情報や、より深く調べたくなる分野が出てくるからです。また、基礎知識があると発想の幅が広がり、これまで思いつかなかった視点でリサーチを行うことができるようになります。

一度リサーチした内容を元に資料を探す場合には、読んだ資料にある参考文献を参照してみてください。参考文献には、本文で言及されている内容と同じことが書いてありますし、より深く議論している資料があったりもします。一つの資料から参考文献を使って芋づる式に資料を集めていくと、深いリサーチが可能となります。
また、リサーチの中で何度も見た著者は、そのテーマの専門家か権威であると考えられるため、他にも同じテーマで資料を書いている可能性があります。この場合、その著者の名前で検索をかけると、関連する資料が見つかる可能性があります。これは最初のリサーチでも有効な検索方法です。


以上が、資料集めの方法です。次の節では、集めた資料を効率的に読み、試合で使える部分を探す方法を解説します。

4.3 効率的な資料の読み方

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