初心者のディベーターを救う団・公式ホームページ

4.3 効率的な資料の読み方

資料を読む順番

ディベートでのリサーチ目的は、論題についての基礎知識を得ることと、証拠資料を手に入れることでした。この2つの目的にあわせて、戦略的にリサーチを進めていくことが重要です。準備の時間は限られていますから、その時間内にできるだけ多くの資料にあたり、試合に役立つ情報を集められるかが勝負になります。

そのための大切な要素が、資料を読み進めていく順番です。いきなり習ってもいない内容の問題を解こうとしても無理だということと同様に、自分の理解できる内容を超えた資料をよむことはできません。そこで、集めた資料は基本的な内容から順番に読んでいき、ある程度基礎知識がついた段階でより詳しい内容に進んでいくことになります。
基本的には、新書や入門用書籍、新聞記事などを最初に読んでみるのがよいでしょう。これは論題の基礎知識を得るためでもありますし、その論題でどのようなことが問題となっているのか、何が議論できるのかということを知ることに役立ちます。自分の中に問題意識(どんな情報が必要か)があるかどうかで、資料が違って見えてきますから、この段階である程度論題の全体図を知っておかなければなりません。
ある程度基本的な部分が見えてきたら、続いて集めた資料を片っ端から読んでいきます。ここからは数をこなすことが大切ですが、同じような論点の内容ばかりを読み続けるのではなく、別の論点についての資料も読みながらリサーチしていくと、論点の相互関係が見えてきてよいでしょう。

資料の読み方

基礎知識を踏まえた上で資料を探す段階では、スピードを重視して読む作業が求められます。そのためには、必要な部分だけを素早くチェックしていくコツを知る必要があります。

書籍を読む場合には、最初に目次を読むようにしましょう。その中で、議論に使えそうな内容が載っている部分だけを選んで読むことで、大幅に時間を節約できます。また、本の最初にあるはしがきなどを読めば、その本で筆者が言いたいことが大まかに分かることが多いので、議論に使えそうな資料かどうか判断する手がかりになります。

また、資料を読んでいく際には、「この内容はどのような議論につながるだろうか」ということを意識できるとよいでしょう。最初のうちはそのようなことを考える余裕はないかもしれませんが、書いてある内容から論題は肯定されるべきといえるのか、それとも否定されるべきといえるのか…ということを考えながら読んでいくと、重要な部分が分かってきます。
具体的には、以下のようなことが書いてある場合、重要な内容として集中的に読むべきだといえます。

・論題の政策について説明している文章
・論題の政策が求められている背景(現状の問題点)について説明している文章
・論題によって引き起こされる現象(メリット・デメリット)について説明している文章
・論題の政策が実施されている例について述べている文章


重要部分をチェックする

資料を読んでいて重要なことが書いてあると思われた場所、資料として引用したい場所には、いつでも読み返せるようにチェックを入れる必要があります。該当部分に付箋を引いたり、線を引くのがよいでしょう。
このとき、内容によって色を分けるなどしておくと、後の作業が楽になる場合があります。肯定側の議論として使えそうな場合は青、否定側の議論として使えそうな場合は赤、どちらの側の資料か分からないが使えそうな内容には緑…といった感じです。ただし、資料は使い方によってどちらの立場も支持しうる場合がありますから、このあたりにはあまりこだわらなくて大丈夫です。

なお、図書館で借りてきた本には、決して線を引いてはなりません。また、付箋を引く場合も返却時にはすべてはがしておかなければなりません。これは当然のルールなのですが、守っていない人も少なくないと聞きますので、ディベーターの皆さんは図書館の愛用者としてそのようなマナー違反をしないよう特に気をつけましょう。


次の節では、証拠資料の意義について簡単に説明した上で、読んだ資料の中から資料集を作成する過程を説明します。

4.4 証拠資料集の作成

Contents of This site


Copyright© 2007
SDS団&愚留米 All Rights Reserved.
Powered by sozai.wdcro
inserted by FC2 system