初心者のディベーターを救う団・公式ホームページ

1.3 ディベートを学ぶ上で重要なこと

ディベートという競技に取り組み、上達していくために大切なことを紹介しておきます。これから「議論」を扱っていく者として求められる心がけでもありますから、常に意識できるよう心がけてください。

ディベーターとして守らなければならないこと

相手を思いやる
議論というのは、相手をやりこめるために行うのではなく、有意義な結論を得るために行うものです。ディベートにおいては、相手と議論を戦わせる中で互いに成長しあうことが目的です。ですから、常に「相手に試合をしてもらっている」という気持ちを忘れてはなりません。対戦する相手には敬意を払わなければなりませんし、議論を戦わせる他で無意味に争うこともやめましょう。試合を判断してくれるジャッジに対しても、相応の礼儀を守らなくてはなりません。
また、議論を行うもののマナーとして、相手に対して失礼なこと(暴言や人格的非難など)を行うことは絶対に許されません。ディベートでは社会問題を扱いますが、そこでは他人の気持ちを想像する能力が問われます。そのようなディベートにおいて対戦相手の気持ちを解さない行動をしてしまうような選手は、ディベーターとしても失格であると言わざるを得ません。

議論を行う者としての品位を守る
上の内容にも関係してきますが、競技といえども、ディベートは議論の一種です。ですから、議論を行うものに求められる要求を満たす必要があります。例えば、議論の中で差別的な用語を用いたり、意図的に虚偽の内容を述べるなどの行為は慎まなければなりません。これは、政治家の発言などで問題となったりしますが、同じく議論を扱う者としてディベーターに対しても求められる責任なのです。

ディベート能力を身につけるために大切なこと

人の言葉をきちんと聞く
ディベートで最も重要とされる能力は、相手の言うことをきちんと聞くことです。議論を理解することではじめて、その議論に対して批判的検討を行うことができるのです。ですから、ディベートを行う際には、相手の言うことをきちんと理解することを最優先するようにしましょう。相手の議論を曲解するのではなく、理解した内容をそのまま受け止め、それに対して適切に反応できるようなディベーターとなってはじめて一人前と言えるのです。
試合中のみならず、アドバイスしてくれるジャッジのコメントや、自分の議論を見てくれるほかの人のアドバイスも、きちんと聞くようにしましょう。後でも書きますが、ディベートに上達するためには反省の機会を大切にしなければなりません。試合が終わったらそれでおしまいなのではなく、その先もずっとディベートは続いていくのですから、最後まで人の話を聞くことが大事です。

失敗を恐れない
実社会の議論の場においては、失敗することで何らかの責任を負うこともあるでしょう。しかし、競技ディベートでは、失敗しても特に何か問題があるというわけではありません。ディベートでは、失敗を経る中でそこから学び、成長することができるのです。特に初心者のうちは、慣れないことだらけでいろいろと失敗することもあるでしょうが、そんな失敗を経てはじめて学べるものがあるのです。ですから、一度や二度の失敗を恐れることなく、どんどん挑戦していってください。失敗を恐れるのではなく、失敗を通じて学ぼうという姿勢を持つことが、ディベートに上達する最大の秘訣です。
これに関係して、他のディベーターの失敗に対して寛容になることも大切です。初心者のうちは誰しも失敗することがあるのですが、それはディベーターが一度は通る道です。そういった上達の道のりを笑うのではなく、励ましていけるようなディベーターになってください。

失敗した原因を押し付けない
ディベートを続けている中で、自分が失敗したり試合に負けたことが悔しくてたまらないということが出てきます。そんな時、つい自分以外の他人にその責任を求めてみたくなることがあります。曰く、運が悪い、対戦相手の議論が卑怯だ、ジャッジが悪い、チームメイトが悪い…。そのように思いたくなる気持ちは分からなくもないですが、そうやって考えたところで、何も得るものはありません。ディベートを学ぶものとしては、失敗という事実を受け止め、次に同じ失敗をしないために自分は何をすべきかということを考えるべきです。

意味のある議論をしよう
後の章でも触れますが、ディベートでは最低限のマナーを満たす限り、どのような議論を出すことも許されます。しかし、ディベートの目的が議論教育である以上、実際に議論する意味のある内容を意識して議論を行うことが必要です。きちんとした説明があれば、常識外れの議論を展開することも許されるわけですが、そこに自分なりの意義を感じられないのであれば、そういった議論はやめるべきです。
ディベートで大切なことは、試合に勝つということではありません。より重要なことはむしろ「どのように勝つか」ということです。優れた議論で勝つことを目指して、自分なりに意義のある議論ができるように努力していきましょう。



少し教条的な内容になってしまいましたが、大切なことだと思いますので、皆さんでも考えてみてください。次の章からは、いよいよディベートのルールを説明していきます。初心者の方は、4節の「ディベートの枠組」は飛ばして、ディベートのルールについて見ていきましょう。

1.4 ディベートの枠組
2.1 どうやったら勝てるのか

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